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e-Associates Mail Magazine 2004/ 9/22



イー・アソシエイツ オンラインジャーナル
臨時増刊号−株主総会事情等 Vol.9



In the long run, nothing is more important to a company than its reputation.

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1. 株主構成の変化と株主総会

上場企業の2004年の株主総会の特徴の一つは株主の顔ぶれが変わってきた ことである。

全国証券取引所が調査した2003年度株式分布状況調査によると個人株主数 は8年連続して増加し、前年度比23万人増加して3,400万となった。一方、 株式保有比率は2003年度で外国人株主が21.8%と大幅に上昇し、調査開始 (1970年)以来最高を記録した。

また事業法人は新規上場会社の増加や自己株式の取得等により、前年度比 0.3%アップして21.8%となった。減少が見られる投資部門は保有株式の売 却を進めている都銀・地銀の5.9%(前年度比1.8ポイント減)、生命保険5.7 %(同1.0ポイント減)、損害保険2.4%(同0.3ポイント減)などの3部門で、い ずれも1970年以来、最低を更新した。

つまり、日本経営の特徴ともいえる株式持ち合いの解消が毎年着実に進み、 株主として金融機関の影が薄くなり、外国人株主や個人株主の存在感が一 段と増してきたと指摘できる。これは株主構成が取引先やメーン・バンク など「与党的株主」が減少し、モノ申す外国人株主や個人株主という「野 党的株主」や機関投資家が増えるといった、株主構成面で構造的変化が起 きつつあると言えよう。

これらの存在感を増してきた株主は、株主総会で自由に意見し、質問を行 う個人と、ガバナンス関連で是々非々に議決権を行使する機関投資家・外 国人が多くなってきた。以下は今年の株主総会で見られた各株主の動向で ある。

2. 機関投資家

機関投資家は年金基金、投資顧問、投資信託、信託・生保、外国人など多 種多様であるため、株主総会における動きは一様ではないし、議決権行使 の方針も異なる。つまり、短期保有のキャピタル・ゲイン狙いのファンド、 ヘッジ・ファンド、プライベート・エクイティ・ファンド、などは議決権 行使にはあまり関心を抱かない。中長期保有の年金基金、投資信託、投資 顧問などは受託者責任の一環として議決権行使は好むと好まざるに拘わら ず、「行使せざるを得ない」傾向が年々強くなりつつある。この流れはカ ルパースの対日コーポレート・ガバナンスのガイドライン(1998年3月)、 OECDの同ガイドライン(2001年1月)、「日本コーポレート・ガバナンス・ フォーラム」のガイドライン(2001年10月)、などが影響を与えてきた。上 場会社に最も強いインパクトを与えてきたのは、厚生年金基金(以下PFAと いう)の議決権行使のガイドラインであろう。PFAは巨額の運用資金の一部 をインハウス運用しているが、この運用先に対して厳しいガイドラインを 2003年2月から設定している。

PFAは今年も外部運用委託先である機関投資家(主として投資顧問会社)に 対して株主総会の議決権行使の実態調査を行い、結果的に上記のガイドラ イン・システムに基づいて議決権行使を行ったかどうかをチェックしてい る。

このため、PFAから資金運用を受託している機関投資家は、今年の株主総 会でもその原則に基づき株主価値向上の視点から退職慰労金、取締役選任、 新株予約権発行などを厳しくチェックした。もっとも昨年は株主に不利と 思われる定款の一部変更や赤字・無配の企業に対しては、利益処分や取締 役選任に「反対投票した」議案が多かった。今年のスタンスは投資先各社 のガバナンス関連の議案を十分吟味するよりも、新設したガバナンス・シ ステムに基づき自動的に行使したためか、内容的には特筆すべき事項はな かった。いづれにせよ、日本の株主総会における有力機関投資家の議決権 行使の実態はPFAのガイドラインが程度の差はあれ、影響を与えていると 言えよう。

3. 外国人株主

従来、外国人は日本株投資に際して、海外でブランドがよく知られ、国際 的に優位な地位の分野にいる企業を中心に投資してきた。2003年度の業種 別保有状況で外国人の保有比率の高いのは保険、薬品、証券、自動車、電 機などの分野である。特に2003年度に外国人が投資額を増やした業種は銀 行、保険、不動産、ガラス・土石、海運などであった。

株式持ち合い解消の受け皿の一つとして、この外国人株主が期待されてき たが、外国人投資家・株主の投資判断は是々非々でドライに行うため、中 長期にわたり保有してくれる保証はないし、「安定株主」と見ることは難 しい面がある。

事業の再編などで流動化した株式が外国人に渡ったケースもあったが、1 年間で30〜40%外国人株主が増加した企業もあれば、20〜25%と大幅に低下 した企業もある(この変動には「貸し株」の管理の問題が見え隠れする場 合がある)。個人株主ではこのような大幅な変動は社会的不祥事など特殊 な事故・事件が起きない限り見られない。

外国人株主は今後の議決権行使促進のために今年の株主総会を振り返り、 日本の上場企業に対して以下の諸点の改善を求めている。
  株主総会開催日の分散化 ―――― 今年の株主総会開催日は6月29日が 第1集中日で対象となる上場企業の63.9%が集中した。第2集中日は6月 25日で全体の16.3%%で、この両日で80%以上が集中した。「皆で渡れ ば怖くない」という考え方はまだ改善されたとは言えない。
 
  招集通知発送日の早期化 ―――― 各社は招集通知の発送をギリギリま で時間をかけてチェックし、申し合わせたように内外株主に6月中旬に 一斉に発信する。この慣習は総会開催日を集中するのと同じ次元の考 え方と思われ、特に海外の株主にとって判断する時間的余裕が与えら れないことになり評判がよくない。株主軽視で不親切と言われても止 むを得ない。
 
  ガバナンス関連情報の情報開示 ―――― 議決権行使を円滑に進めるた めにも、株主・投資家の判断形成役立つ社外取締役・社外監査役の詳し い略歴、退職慰労金に係わる功績の説明などがないと判断が難しい場 合がある。なお、社外取締役に退職慰労金を支払うことは中立の立場 を貫きにくくする要因にもなるので反対との見方をする外国人株主が 多い。
 
  招集通知の英文化 ―――― 海外の株主・投資家は議決権行使を円滑に 促進するためにも、数年前から「招集通知」の全部または一部の内容の 英文化を求めてきたが、その対応が遅い企業が多い。国境のない資本の 流れとIRの国際化の観点から英文化の要請の声は毎年大きくなってきて いる。
 
  その他(配当金・自社株買いほか) ―――― 一部の大株主(特に投資 ファンド)の求めに応じて一時的とはいえ、異例の高額配当をした企業 が見られた。配当は安定・継続的に長期観点から実行してほしいとの株 主は多い。また、自社株買いを取締役会の決議で自由に実施することは、 結果的に一部の特定株主の比重が高まり他の株主を無視するような企業 支配が容易になりかねないとの指摘もある。



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