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e-Associates Mail Magazine 2003/ 8/ 6



イー・アソシエイツ オンラインジャーナル
臨時増刊号−株主総会事情等 Vol.6



In the long run, nothing is more important to a company than its reputation.

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■「沈黙」から「対話」へ

1. はじめに

今年の6月末の株主総会シーズンは、持合解消の進行による株主構成の変 化と商法の大幅な改正に基づいて開催された。株主総会の形骸化、開催日 の集中化、コーポレート・ガバナンス(企業統治)の重視などの話題と課題 を残して終了した。
今年の株主総会の特徴は、商法改正に伴い企業統治強化のために「委員会 等設置会社」に移行したり、特別決議の定数引き下げなどの定款変更に係 わる決議が行われたことである。一方、赤字・無配の業績不振企業や不祥事 に係わった企業に対しては、多くの機関投資家から取締役選任、社外監査 役選任、役員報酬・退職慰労金などの議案に反対票が投じられた。また、 一部の企業では株主から役員報酬の個別開示を要求する株主提案もあった。 総会における質疑も個人株主が活発にするようになり、会社経営陣と株主 との間で総会屋とは異なる緊張感が見られるようになったことは、議論か ら実践の段階に入った企業統治と経営改革の推進に大変プラスになったと 言えよう。
以下は今年の株主総会に係わる制度面と株主動向から見た指摘点である。

2. 制度面

・開催日の分散傾向
3月決算企業の株主総会は今年は6月27日に最も集中し1,174社(全体の68. 1%)、「第二集中日」と言われた26日には243社(14.1%)が開催した。東 証の発表では開催日の集中度は8年連続の低下で分散傾向が高まっている と言う。しかし、まだ約70%の上場企業が申し合わせたように同日の午前 10時に一斉に開催するという、日本でしか見られない異常な現象が続いて いる。「皆で渡れば怖くない」という考えで集中日を「談合」して決めて いるのであれば、「株主軽視」として経営姿勢が問われかねないと言えよ う。

・ネット利用
インターネットによる株主総会議案への投票は昨年5〜6月の総会では約60 社が導入したが、他の大半の企業は「様子見」であった。今年は増加しつ つある個人株主への利便性を高めるために鉄鋼、化学、銀行など合計163 社が採用し、IT総会が一段と普及した。一部ではインターネットを利用し た議決件行使の割合が10%を超えた企業もあった。これはこの企業の株主 層の多くが60歳未満と若いためネット利用率が高まったと見られる。

・モノ申す株主の増加
株式分布状況調査によると、株式保有構造の継続的な変化として株式持合 解消で金融機関の保有比率が6年連続して減少し、7.7%となった。一方、 この株式持合解消の受け皿として、機関投資家と個人株主の比率がジワジ ワと増え、各々 21.4%と20.6%に上昇した。この結果、外国人株主(株式 保有比率17.7%)とともに意見・発言する個人株主や議決権行使する機関 投資家が増え、今年の株主総会においても、後記の通り「モノ申す」株主と して、その存在感が高まりつつある。

・監査法人の変更
3月期決算企業で監査法人を変更した企業は61社になり、昨年の41社に対 し大幅に増加した。これは監査法人の再編に伴うケースが多いが、連結決 算を重視して親会社と統一した場合もあった。会社側の決算方針に監査法 人が異論を唱えることは従来見られなかったが、「企業の継続性のチェッ ク」を厳格に査定する要請が強まり、一部企業で繰延税金資産を巡る意見 対立で監査法人が辞任したケースがみられた。

3. 株主動向

・動き出した機関投資家
数年来の株式市況の低迷に伴い、2000年以降3年連続で運用差損が発生し ている厚生年金基金連合会はその打開策として、投資先上場企業のうち業 績不振企業に対して議決権行使のガイドラインを2003年2月に策定し、こ れに基づいて同基金自らが議決権行使を行うだけでなく、外部に資金運用 を委託している投資顧問会社などにも同様の基準で議決権を行使するよう に強く促し始めた。これは、従来、官は民に介入せずとしてきた「巨大な 沈黙」の株主が突然「モノ申す」株主に変貌したことを意味する。
なお、2002年6月の株主総会において、厚生年金基金連合会は株主議決権 行使のガイドラインに基づいて、定款の一部変更や退職役員への退職慰労 金の支給を中心に7,035議案のうち40%以上にあたる2,992議案に反対した という。

・増えた一般個人株主の発言
株主総会において個人株主が発言した会社の数と発言者数を過去10年間に わたりチェックしてみると、いずれの数値も毎年増加しており、個人株主 が株主総会の当日に出席し発言するケースが目立つようになってきた。株 主提案は横ばいであるが、総会屋に代わって発言・意見する個人株主の総 数が増加していることは注目される。質問の内容も多岐にわたり、単純で ないため、回答を自らしないで担当役員に振ったり、キチンとした回答が 出来ない議長(社長)はその資質が問われかねない。

・外国人株主の動き
米国の議決権行使アドバイザー「ISS」の発表では、外国人株主が6月の株 主総会で反対票を投じた議案は3,267件であった。これは日本企業2,080社 総会議案の内容をチェックしたもので議案総数の28%になる。
反対が多かったのは
・定款変更―――――――――1,791件
・監査役選任反対――――――742件
・役員退職慰労金反対――――430件
・その他、利益処分案など多数に反対

今年のISSの動きの特徴は
(1) 利益処分案
利益処分案は毎期利益が出ているにも拘わらず、十分な説明がなく極めて 低い配当をしている企業に対しては反対した。
(2) 定款変更の件
特別決議の定足数を議決権数の1/2から1/3に減らす件や、ストック・オプ ションで株価に影響を与えない程度のオプション・プラン設定の定款変更 には反対した。
(3) 社外監査役の件
候補者が銀行出身者や筆頭株主関係者などであれば「棄権」とし、内部出 身の監査役候補だけの場合は「反対」した。
(4) 役員への退職慰労金の件は取締役が業務執行役員であれば「賛成」した が、非常勤の取締役であれば退職慰労金の支払いには「反対」した。

4. その他

警察庁の発表によると、6月27日に1,832社が株主総会を開催したが、総会 屋は全国で31社の総会に41人が出席し、昨年の株主総会集中日に比べて企 業数で4社、出席した総会屋数で10人増加したという。今年も企業訪問や 資料請求などを通じて存在を誇示した総会屋も見られたが、概ね混乱はな く、民間企業と連携して進めてきた対特殊暴力政策が奏功したと言われて いる。ただ、組織暴力と絶縁を決めた関西の鉄道グループは昨年6月に警 察の警護下で総会を開催したが、今年も同グループ幹部宅に銃弾が撃ち込 まれるなど企業テロが続いている最中の異常な事態の総会もあった。



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