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e-Associates Mail Magazine 2003/ 3/ 6



イー・アソシエイツ オンラインジャーナル
臨時増刊号−株主総会事情等 Vol.5



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◆ カルパ−ス、情報公開の不備で告訴される

カルパースは1992年以降日本において、取締役や監査役の選任、配当政策、 退職慰労金などについて具体的な株主活動を展開し、1998年には対日コー ポレート・ガバナンスの原則を公表して、わが国の経営者や機関投資家に も経営監視に係わる影響を少なからず与えてきた。「モノ申す」株主とし てその存在感は他に類を見ないほどである。
そのカルパースが2002年10月16日、自らの年金資産の運用実績について、 受益者(カリフォルニア州の公務員)に対して一部の情報を公開していない として告訴された。訴えたのはシリコン・バレ−のサンノゼ市に本社を置 く有力地方新聞社「サンノゼ・マーキュリー・ニュース」(MN)である。

MNが発表した訴状の内容は、下記のとおりである。

(1) カルパースは従来、同基金の運用資産内容の全てと運用利回りを公表し てきたが、2001年4月以降はプライベ−ト・エクイティ(未公開株式)投資 について運用実績などの情報公表を行っていない。
(2) 具体的には、カルパ−スは近時ベンチャー・キャピタル、企業買収ファ ンド、不動産投資などへの投資の比重を高めてきた。ITバブル崩壊の影 響を受け、ここ1〜2年の運用利回りが相当悪化したと思われるが、この 件について情報を公開しなくなった。
(3) 同基金の都合により運用実績を公表しないのは、「情報公開法」(Public Records Act)違反である。

これに対して、カルパース側は下記のとおり反論を行った。

(1) 不振に陥っているプライベ−ト・エクイティ投資関連の運用実績を公表 することについて一般的ル−ルは確立されていない。公開すれば資金を 受け入れた事業体や投資運用担当者を困惑させるだけでなく、今後の年 金基金の運用業務にも支障が生じ得る。
(2) ベンチャー関連や企業買収ファンドなどへの投資は、長期的観点から行 うもので、初期段階ではマイナス運用もあり得る。初期段階のマイナス の運用実績を他の公開株や公社債のように公表することで、いたずらに 年金受益者を失望させかねない。
(3) 従って、この種のネガテイブな情報を公表することは誤解を招きかねな いので慎重に行いたい。

告訴されて1ヶ月後、裁判所は「ベンチャーキャピタルなどから取得した 未公開株関連の投資データは業務上守秘義務があり、公開できないという ことは理解できる。しかし、ベンチャーキャピタル、プライベート・エク イティ投資の運用成績も公表出来ないならば、その合理的理由を3週間以 内に証明せよ」とカルパースに命じた。
これを受けて、カルパースは12月18日付のプレスリリースにて「プライベ ート・エクイティ投資の運用成果の公表については今後適正な開示様式を 市場関係者と協議して制定することでMNと合意に至った」と発表した。

具体的には、
カルパースはベンチャー・ファンド、企業買収ファンド、不動産投信等 の投資については投資契約額、実際の投資金額、元本回収や配当などが あればその受取総額等、及び運用利回り等を公表すること。
これらは情報の公表が中断していた2002年6月末、9月末、12月末、及び 2003年3月末までの合計4回の四半期につき行うこと。
投資先事業に係わる情報は公表しないこと。
この公表により、MN側は告訴を取り下げること。
(※なお、ヘッジ・ファンドへの投資は今回の開示対象から除外した。)

カルパースのクリス理事長は、同プレス・リリースで、「本件のMNとの決 着により、未公開株式をはじめとするプライベート・エクイティ投資に関 して運用者側の統一基準を年金業界で初めて制定することができるように なり、受託者責任を一段と強化できると同時に、基金の運営に係わる透明 性も一層高められる」と述べた。

カルパースが上記のとおり情報公開に踏み切ったのは、「年金基金運用者 として、情報公開を対外的に強く要請してきたが、その一環として自らも 積極的かつ先導的な役割を果たすべきである」と基金内のスタッフより提 案があり、13人の役員全員が合意した経緯があったといわれる。
カルパ−スは受託資産の増大に伴い、従来の伝統的な資金運用以外に、資 源エネルギーを含めた商品市況、米国内の森林の買収、カルフォルニア州 内のぶどう園の買収など多角的に運用を行っており、今後これらに係わる 運用実績の公開にどう対処するのかは注目される。
以 上



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