前へ 次へ このページを印刷する ウィンドウを閉じる
e-Associates Mail Magazine 2003/ 2/ 4



イー・アソシエイツ オンラインジャーナル
臨時増刊号−株主総会事情等 Vol.4



In the long run, nothing is more important to a company than its reputation.

イー・アソシエイツは、IRポータルサイト「カンパニー・ホットライン」
( http://www.c-hotline.com/ )を運営しています。


本メールは、弊社営業担当者がこれまでお会いした企業IR担当者様、及び配信ご希 望の方に気軽にお読みいただけるIRに関する情報を提供することを目的等としたも のです。配信を希望されない方は、お手数ですが、メール最後の配信停止について をご参照の上、ご連絡くださいますようお願いいたします。




■ 2002年6月株主総会-------外国人株主の視点

○「モノ申す株主」のチェック・ポイント

日本企業の議決権にかかわるチェックは、議決権行使のアドバイザ−が問 題とされている業種に属する企業、反社会的行為の企業、不祥事等でメデ ィアにとりあげられている企業等を事前にスクリーニングし、これらの「 問題企業等」に時間をかけてじっくりと調査・分析した結果に基づき、議 決権を行使しているところが多い。
アメリカの有力な機関投資家であるカルパース(加州退職年金基金)やTIAA- CREF(全米大学教職員退職年金基金)もこうしたアドバイスに基づき独自の 議決権行使のガイドラインを設定して、日本企業にモノ申しているのが現 状である。
外国人株主の視点からの日本企業に対する具体的なチェック・ポイントは 以下の通りである。

1.取締役の人数は適切か?

日本の多くの公開企業において、執行役員制度の導入後、取締役の人数の 削減を中心に取締役会の改革が行われつつある。日本の企業の取締役人数 は欧米の同規模の企業と比較してまだまだ多すぎる。取締役の人数が多い ところは一段と減らしたほうが効率がよいと言える。取締役会のあるべき 姿は、社外取締役を含めた各取締役が資料を事前に十分チェックし、貴重 な時間を割いて出席しているのであるから、重要な事項を真剣に討議する 場であるべきである。重要な取締役会議であればある程、各取締役は自ら 事前にしっかりと勉強し、検討を重ね、他の取締役と会議の場で十分な議 論を重ねるべきである。資質の優れた少数の取締役で緊張感のある取締役 会を構成するシステムに変わるべきである。

2.社外取締役は独立しているか?

取締役会の活性化や改革のために社外取締役の導入が求められている。日 本では社外取締役がいたとしても、トップに対して株主価値増大や株主の 立場から正論をキチンと述べる社外取締役はまず数少ないであろう。何故 なら、日本企業の多くの社外取締役は関連(旧財閥系や銀行系列)グルー プから相互に派遣し合うか、株式の持ち合いに係わる取引上のメリット追 求のために形式的に就任している事例が大半であるからである。大株主、 メイン・バンク、取引先出身の取締役は外国人株主からは「独立」してい るとは思えない。
外国人株主の立場から言えば、株主利益の視点から社外取締役として意見 をキチンと主張できるのは柵(しがらみ)のない社外取締役である。しかし ながら、日本企業においては米国で見られるような真の「独立社外取締役 」は残念ながら殆んどみられないのが現状である。

3.社外監査役は本当の「社外」か?

1993年の商法改正により、社外監査役就任が義務づけられた。実際に就任 している社外監査役は系列関係や大口株主会社からの派遣で、本格的な「 社外」とはいえない場合が多い。この事例は特に旧財閥系グループで多く 見られる。これは商法が求める監査役制度の精神に反しており、社外監査 役としてのチェック機能を十分果たしているか疑問である。不祥事が跡を 断たない昨今、議決権行使の観点からも、また、監査役の機能アップのた めにも、キチンとした社外監査役が選任され、コーポレート・ガバナンス の実践のためにも「社外」という意味と機能をよく認識する必要がある。

4.役員退職慰労金はフェア−か?

役員報酬は株主価値増大と会社の業績に直接リンクして支払われるべきも ので、在籍中に与えられる報酬、賞与、ストック・オプションの他に、退 職慰労金や役員年金等を含めた総報酬のパッケージとしてチェックされな ければならない。これらのパッケージの中身について日本企業は99%一般 公開したがらず、また要求する「モノ申す」株主も今まで余り見られなか った。
しかし、日本と較べ高額な役員報酬に慣れている外国人株主が日本企業の 役員報酬額について異を唱えているのは、退職慰労金を期待すると社内出 身役員はキチンと発言しなくなる恐れがあることと、この計算根拠が不透 明なためである。
役員の役員報酬と退職慰労金は企業戦略の一環でもあり、@経営者の報酬 の目的、A企業目標と報酬制度の合致、B業績指標と報酬との関連、C同 業他社との比較、D報酬種類の組合せ等について定期的見直しを行うこと は株主対策だけでなく、コーポレート・ガバナンスの面からも重要である。

5.取締役と執行役員は牽制しているか?

日本の各取締役の専決事項は、日常の営業取引等に係わる業務執行の内容 を含めれば非常に多い。米国では、経営は執行部門と取締役会に分離し、 株主が取締役を選任するチェック・アンド・バランスのとれた構図が好ま しいと言われている。つまり、経営の実務・執行面は執行役員に任せ、取 締役は人数を絞り大所・高所から執行体に指示をし、実質的な討議を取締 役会で十分行なう。多忙極める取締役の業務執行を補佐し、業務執行の効 率化をはかるためにも執行役員制を導入することは好ましい。なお、日本 の上場企業において執行役員制度を導入している企業は1/3もないのが現 状である。

6.ストック・オプションは株主にもプラスか?

ストック・オプション制度を導入するメリットは、ストック・オプション を付与された経営陣や幹部社員が常に株価を意識して経営を行うようにな り、結果として株主重視の経営戦略を行うこととなると同時に、優秀な人 材確保が可能となることである。
株主から見れば、このストック・オプションは原則として賛成であるが、 「副作用」もあるため、その制度の内容をよく吟味する必要はある。 つまり@業績低迷にも拘わらずストック・オプションを含めた高額な報酬 経営者報酬に対する社会的非難があること。Aストック・オプションの権 利行使に伴う一株当りの利益の稀薄化があり得るため、行使価格と同額以 上の利益が増額しない限り、大規模な自社株買いを実施して市場から株を 吸い上げる必要があること(いわゆる「隠れ債務」)。B株価上昇の要因 は必ずしもトップの経営手腕と100%直結せず、株式ブームに基づく要因も あり因果関係は判明しにくいこと。C権利行使に伴い社内株主(インサイ ダー)の比率が高まり、社外株主は情報上不利になる可能性があること。 D議決権での投票比率が低下する恐れがあり得ること。
米国ではストック・オプション導入は社外取締役が決定するが、日本では 取締役同士が付与するため問題は残る。

7.高齢者の取締役はマイナスでないか?

高齢者の中には経験豊富でアイディアもすばらしく、40才〜50才の若き経 営陣にとっては多くを学ぶべき博学の人生の先輩もいる。一般的に功なり 名を遂げたと思われる60才〜70才の取締役は成功体験に縛られたエスタブ リッシュメントで進取の精神に欠ける面があることは否めない。加えて取 締役会の出席者に高齢者が多いと、総じて分別のある議論を求めて「安全 に」「多過なく」「先例に慣って」結論を出しがちであり、自己否定はし たがらない。
「デフレ」と「IT革命」の時代に即した新しい事業展開やシステムに対応 するためには、高齢者が多い取締役会では説明に手間がかかるだけでなく、 将来に対するシステムの展開や布石の決断に時間がかかり、結論を導くの が難しくなる場合があり得る。ITと国際共通語である英語が理解出来ない 取締役はこれからの取締役会に参加しても機能的に期待出来にくい面が多 いといえよう。理想的には激職の経営トップには40代の若手を起用し、経 験豊富な高齢の取締役は自ら進んでアドバイザー役になることが、取締役 会の活性化、人材育成、成長維持のためにも必要と思われる。米国の一部 の機関投資家は高齢者の年齢制限を72歳を目途としている。

8.ROEの改善策は?

多くの株主・投資家は収益性を判断するためにROE(自己資本利益率)な どの財務指標に強い関心がある。つまり、株主は資金を他の債券や預貯金 に投資すれば、確定した利回りで運用できるはずである。それをせずに当 該企業に株主として資金を投資しているため、投資先企業がどのくらい利 益を上げたかを投資判断としてチェックする。 従って、特に投資効用選 好型の株主はこのROEが同業他社と比較して劣っていれば利益処分案で具 体的にその改善策について説明を求める場がある。

9.配当性向はまずまずか?

企業側の内部事情にもよるが、一般的に利益が十分計上されていながら配 当性向が15%以下であれば、その企業の成長段階、直近の利益動向、前年 の配当実態、自社株の買入れ、利益・剰余金のレベル、将来の資金増強の 必要性などを厳しくチェックする。米国では利益剰余金が十分で、その期 の未処分利益剰余金も十分あるならば、株主への還元の一環として配当を 増やし配当性向を高めるべきという考えが強い。

10.自己株式取得の可能性?

自己資本比率をどう保つかは経営者にとって微妙な問題であるが、自己資 本が高く当期利益もまずまずで利益剰余金が十分であり、他に大きな投資 計画がなければ、一株当たりの配当効率を向上させるためにも、自己株式 の取得は行ってほしいとの株主の要求は強い。キャシュが多い会社で、特 別な事業計画がなければROEを引き上げるためにも自己株を取得するのは 問題はないが、浮動株の多い企業にとっては10%以上の買入れは流動性の 観点から慎重に行なうべきと言えよう。これは日本の企業は33.4%で企業 の支配株主が発生するする恐れがあるためである。いずれにしても外国人 株主としては自己株を2〜3%取得することは賛成である。
以 上



ご登録情報の削除・メール配信停止は、magazine@e-associates.co.jp
までご連絡くださいますようお願いいたします。



イー・アソシエイツ株式会社 メール・マガジン担当

 E-MAIL magazine@e-associates.co.jp
 URL http://www.e-associates.co.jp/

http://www.c-hotline.com/

営業に関するお問合せは03-3556-1380(大下)まで



前へ 次へ ページのトップへ このページを印刷する ウィンドウを閉じる