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e-Associates Mail Magazine 2003/ 1/20



イー・アソシエイツ オンラインジャーナル
臨時増刊号−株主総会事情等 Vol.3



In the long run, nothing is more important to a company than its reputation.

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■ 商法改正と2002年6月の株主総会

総会付議議案の状況

平成13年10月1日の商法改正で金庫株制度が導入され、会社は自己株主を 自由に取得して保有するためには原則として定時株主総会の決議を要する ことになり、取締役会決議による機動的な自己株式取得を許容していた株 式消却特例法は廃止された。
したがって、定時株主総会で自己株式取得議案を付議しておかないと向こ う1年間は自己株式を取得できないことになった。
自己株式取得議案を付議した会社は全体の50.4%と過半数の水準にある。 ただし、この中には、決議時点では具体的な自己株式取得を予定していな いが、念のため決議して取得枠を確保したという会社も少なくないと思わ れる。
また、同改正で認められた法定準備金の取崩しについては、全体の8.2% が付議するにとどまっている。法改正は、多くの公開会社で潤沢に積み立 てられている資本準備金を取り崩すことで資本構成のスリム化と有効活用 を図る目的があったが、配当原資として場合の会計処理等の問題もあり、 初年度の利用はやや低位であった。
法定準備金の取り崩しは、資本減少と同様にやや後ろ向きのイメージがあ るのも一因であろうか。
ただし、全体の8.2%という水準が低位と言えるか否かは、見解の分かれる ところである。
平成14年4月1日の商法改正により、従来のストックオプションは新株予約 権制度に取り込まれ、新株予約権の有利(無償)発行というかたちで実施 されることになった。制度自体は変更されたものの、ストックオプション は平成9年の商法改正で導入され、徐々に普及しつつあったことや、付与 対象者の制限がなくなって持ち株会社傘下の事業会社の役職員や社外の人 材に対しても付与することができ、また、ストックオプションとして用い ることができる株式数の制限も大幅に緩和されたこと等から、6月総会で 新株予約権の有利発行議案を付議した会社は全体の20.4%となった。 この水準は、法解釈や実務対応が明らかでない初年度とういうことを考え れば、相当高いものと思われる。
平成14年5月1日の商法改正により、取締役等の商法改正により、取締役等 の責任を一定限度額まで軽減する手続が定められた。このうち、取締役会 会議をもって責任を軽減する手続と社外取締役について契約に基づいて責 任を軽減する手続は、あらかじめ定款にその旨の定めをおくことが前提と なっている。この責任軽減のための定款変更議案を付議した会社は、全体 の9.9%にとどまっている。
特に取締役会決議による責任軽減の手続は、株主の3%以上が反対すれば責 任軽減できないという使い勝手の悪さや、代表訴訟を提起される心当たり があると見なされる懸念もあったと思われる。また、定款変更した会社は 営業報告書上で役員報酬の開示が強制されること等から、事前に定款変更 することよりも、実際に必要が生じた際に株主総会の特別決議にした方が、 株主対策上ベターと判断した会社が多かったと推測される。
既述の通り、本年の株主総会では、役員報酬の開示について、多くの株主 が関心を寄せはじめた。役員報酬の開示義務づけは、取締役等の責任軽減 について定款変更を行った翌年からとなるが、ソニーや新日鉄等が役員報 酬の総額につき先手を打って開示したところ、他社の株主総会でも役員報 酬の開示を求める発言が続出する結果となった。

さらに、役員報酬の個別開示に関する株主提案を行った株主オンブズマン の活動が新聞等で報道されたこともあり、役員報酬の開示は総額ではなく、 個別に開示せよとの発言も多かった。役員報酬の開示は、来年以降も株主 総会の大きなテーマの一つである。
なお、退職慰労金贈呈議案に関して、その具体的な支給金額を問う質問が 昨年までと同様に多くなされたが、対象となる取締役等の全員の退職慰労 金総額を開示する対応が増加する一方で、あらかじめ議案中に退職慰労金 の総額を開示する会社も徐々に出始めている。

■ 2002年6月株主総会  ------- 外国人株主の視点

資本市場のグロ−バル化の進行による環境の変化、欧米の株主重視とコ− ポレ−ト・ガバナンスの潮流はわが国においても株主議決権行使の面にも 少なからぬ影響を及ぼし始めている。これは昔から頼りにして来た持合株 主の減少により「なあなあ主義」の株主が減少し、国際化した市場を意識 した内外の投資効用選考型株主の比率が増加したため、「株主重視」・「 株主価値の増大」を一段と求める株主の株付けが目立って来たためである。

外国人株主や年金、投資顧問など「モノ申す」機関投資家のために、議決 権行使を意識して、コ−ポレ−ト・ガバナンスを視野に入れた総会に変貌 することが求められるようになったことを意味する。以下は2002/6の株主 総会に係わる制度面、議決権、及びガバナンスなどに関する外国人株主の視 点からのレポ−トである。

○株主総会の制度面からの指摘点

(1)6月下旬に株主総会が集中しすぎること。

どこの国でも株主総会は集中する傾向がある。しかし日本の株主総会は6 月末の集中日を避ける会社より、集中日に開催日に合わせる企業が引き続 き圧倒的に多い。これは出席者を少なくさせるためと思われても致し方な い。商法の改正により、横並びの風習から脱して開催日を分散させるか、 思い切って土・日に開催するような工夫は出来ないものか。

(2)招集通知の発送日と総会の開催日が2週間と短いこと。

法的には招集通知書は株主総会日の2週間以前に発送することになってい る。しかるに、発行会社は招集通知書を株主宛に早めに発送せずギリギリ まで時間をかけて書類を十分チェックするのが現状である。間違いを防ぐ ため色々精査したい気持ちは理解できる。しかし一部の企業がすでに始め たように、海外の株主などを考慮してもう少し招集通知書を早めに配布し、 総会関連書類のチェックに時間をかけさせる工夫がほしい。

(3)招集通知が殆んど日本語であること。

外国人株主比率が増加している企業は英文化が行なわれている。同比率が 少ない企業は招集通知書を英文にしない会社が多い。株式市場が国際化し ている現状を理解し、招集通知書の全文の英文化・WEB化はともかく、 Meeting Notice として少なくとも株主総会の開催日、場所、議案、重要事 項などの部分だけでも英文化する工夫を是非お願いしたい。英文の記載が なければ外国人株主・投資家などが、日本の企業の株主総会の議案を時間 をかけて十分検討できないとの批判が従来から多い。

(4) 外国人株主(ISS)の見方

議決権行使のアドバイザーとして、長年日本企業の株主総会を見つめて きた米国のISS社は、2002年の株主総会をガバナンスの観点から以下のよ うにコメントしている。

・取締役の人数

今年も取締役会のスリム化の一環として取締役の人数の削減が、少しずつ ではあるが進行していると思われた。しかしまだ重厚長大型の一部では取 締役の人数が30-40名と多いところが見られる。IT化と国際化の時代で 意思決定にスピードが求められるのに、意思決定機関に多くの取締役がい ては時間と労力がかかり効率がよくない場合がある。執行役員制を早めに 導入するなど、経営の効率化を一段と行う余地のある企業が多いといえる。

・社外取締役

今年はコーポレート・ガバナンスの具体的実践の一環として社外取締役の 導入について関心が一段と高まった。一部の企業において社外取締役を選 任しているが、その経歴を見るに「社外」という定義が曖昧に思える。つ まり、取引先や借入れ先からの出身者が多い。米国でよく見られる「企業 取引に係っていない」独立した取締役が余り見当たらないのは残念である。

・役員の賠償責任の件

昨年と今年にわたり大幅に改正された商法によって、定款の変更により役 員の責任を軽減する決議を取締役会に委任することが可能になった。今年 は約100社がこの定款変更を提案した。本件は株主には直接的にはメリット は少ないが、社外取締役のいない企業や不祥事が見られた企業もこの提案 を行った。

・委員会制度の導入について

監査、報酬、指名の各委員会のある取締役会が可能になった。一部の企業 において、報酬委員会や指名委員会を設置しているが、招集通知状では、 具体的な動きは見られなかった。来年は取締役会を構造的に変える企業は 数十社になると思われる。社外取締役を各種委員会のメンバーにした場合、 その事実を招集通知書に具体的に書かなければ、その存在自体は評価し得 ても、株主にはその校正や活動が把握できないため、アカウンタビリテイー の観点から問題があると言える。

・その他

東京スタイルの件

時価総額が保有現金と有価証券の総額に比して低いのは問題であり、村上 氏をサポートした。こういう会社は米国ではただちに買収の対象になる。 配当金を一挙に20円から500円にすることはドラステックであったが不可能 な金額ではなかった。社外取締役の起用は賛成であったが、会社側が選んだ 人は株主の見張り役として「ノー」と言えるかどうか疑問である。



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