詳細情報:
http://today.reuters.com/news/articlenews.aspx?type=internetNews&storyID=
2007-01-08T222027Z_01_N08213607_RTRUKOC_0_US-REGULATION-SUMMIT-
COX-BLOGS.xml&
WTmodLoc=InternetNewsHome_C2_internetNews-5
■ 米フォーチュン誌、”100 Best Companies to Work For 2007”を発表
米投信情報会社モーニングスターは、2006年ファンド・マネジャーズ・
オブ・ザ・イヤーを発表した。外国株式部門ではOakmark Internationalや
Oakmark International Small Capなどのファンドを運用するOakmarkの
David Herro氏が選ばれた。
詳細情報:
http://news.morningstar.com/article/article.asp?id=182492
これに対して、米国フォード・モーターのアニュアルレポート2005のLetter
to Shareholdersは次のように始まります:
“Ford Motor Company was solidly profitable and growing around the
world in 2005. The major exception was our automotive operations
in North America, where short-and long-term challenges continued
to slow our progress.”
株主へのお礼のことばは無く、単刀直入に2005年の実績に関する実質的な
説明に入っています。これは主に文化的な違いからくるものであり、礼儀正
しい日本式とビジネスライクな米国式のどちらか一方に軍配をあげるという
問題ではないと思います。
ここまではいいのですが、日本企業が海外の投資家に向けて英文のARを作成
する場合、どちらのスタイルをとるべきかということになると、話は少し
ややこしくなってきます。
上記トヨタ自動車のARを見ますと、次のように、英語のARは日本語のARを
そのまま英文に翻訳したものになっています:
“I am pleased to report that Toyota achieved record financial
results in fiscal 2006.In addition, on behalf of Toyota's
management team, I would like to express genuine gratitude to our
shareholders and other investors for their continuing support and
understanding.”
(和文)
みなさまには、平素より私どもみずほフィナンシャルグループをお引き立て
いただき、誠にありがとうございます。
(英文)
“As part of our Business Portfolio Strategy, we realigned our
businesses into three global groups to provide services customized
to suit the needs of particular customer segment.”
このように、英文は単刀直入にBusiness Portfolio Strategyの説明に入っ
ています。
どちらのアプローチを選ぶかは、最終的にはその会社のphilosophyの問題で
すが、米国や英国ではPlain Englishという理念が浸透しており、SECも企業
の開示文書でのPlain Englishの使用を促進していることは知っておかれる
とよいでしょう。Plain Englishは、「ビジネス文書を分りやすい英語で書
こう」という運動です。ビジネスということばは、busyという形容詞が名詞
化したものであることが示すように、ビジネスは忙しい世界であり、そこで
使われることばも、時間の効率性と実質性を考えて書かれるべきという考え
が、Plain Englishの底流にあります。米国企業のARで”I would like to
express genuine gratitude to our shareholders (株主・投資家の皆さま
に衷心より御礼を申し上げます)”というような表現を目にしないのは、
実質的に株主を大切にしていることのほうが大切だという考えがあるからな
のかもしれません。
米国人と夕食中、スープを前に「私は猫舌なんですよ」と言いたくて、その
ままI have a cat's tongue.と英語にしたらビックリされた、という笑い話
を聞いたことがあります。米国人は「猫舌」が熱い食物に弱いという意味だ
と知らないので、「私は猫の舌を持っています」と聞いたら何のことがわか
らず驚くのが当然です。
ビジネス文書でも日本特有の表現を見かけることがあります。例えば「今期
は社内改革の初年度で産みの苦しみの時期であったが、来期には黒字化を図
る」という文がありました。「産みの苦しみ」自体は世界中どこでも共通な
出産に伴う事実ですが、「痛みと苦しみを経て良くなる」というイメージを
出産以外の場面でも使えるのは日本語だけです。「産みの苦しみ(痛み)」
は英語だとpains of childbirth、またはlabor painsですが、出産以外には
使えません。従って、During this fiscal year the company experienced
the pains of childbirth…としたら珍・英語となってしまいます。この
部分は英語では意訳して、「今期は営業赤字となったが」とか、「改革が
実績に直接反映できなかったが」というように、具体的に何が苦しかったの
かを説明するといいと思います。