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e-Associates Mail Magazine 2003/ 1/30



イー・アソシエイツ オンラインジャーナル
IR・コーポレートガバナンスニュース Vol.14



In the long run, nothing is more important to a company than its reputation.

イー・アソシエイツは、IRポータルサイト「カンパニー・ホットライン」
( http://www.c-hotline.com/ )を運営しています。


本メールは、弊社営業担当者がこれまでお会いした企業IR担当者様、及び配信ご希 望の方に気軽にお読みいただけるIRに関する情報を提供することを目的等としたも のです。配信を希望されない方は、お手数ですが、メール最後の配信停止について をご参照の上、ご連絡くださいますようお願いいたします。




1.ニュース/トピックス
米SEC、サーベンス・オクスレー法に基づく規則を発表
米SEC、ミューチュアル・ファンドに対し株主総会での議決権行使に関する情報公開を
求める規則を導入
マイクロソフト、株式分割と配当支払いの開始を発表
マクドナルド、肥満訴訟への不満晴らす
米企業の財務報告修正件数22%増の330件に
英国貿易産業省、取締役の役割に関するレポートを発表
米国財務会計基準審議会(FASB)、特別目的会社に関する新規則を発表
2.海外IRサイト紹介
3.海外機関投資家プロフィール
4.英語でIR
5.IR・コーポレート・ガバナンス用語集





◆ 米SEC、サーベンス・オクスレー法に基づく規則を発表

1月15日、米証券取引委員会はサーベンス・オクスレー法306条(a)、401条 (b)、406条および407条に関する規則を発表した。306条(a)は年金基金の ブラックアウト期間中における取締役等の自社株売買の禁止を定めたもの。 401条(b)は一般に認められた会計原則(GAAP)に基づかない財務情報の発 表に関する規則を定めたもの。また、406条は倫理規定に関する規則、407 条は監査委員会のメンバーの資格に関する規則を定めている。

401条(b)は、米国企業の間で一般化していたプロフォーマ形式(本オンラ イン・ジャーナル「英語でIR」参照)による財務情報の公表に関する規則 として注目されていた。今回の細則案によれば、企業はGAAPに基づかない プロフォーマ形式で財務情報を発表する場合、プロフォーマ形式で示され た値とGAAPに基づいて計算された値とが、どう異なるかを明確に説明しな ければならない。また、プロフォーマ形式での発表が投資家の誤解を招く ようなものであってはならないとしている。406条に関しては、CEO、CFO 等に適用される倫理規定が存在するかどうかを、また存在しない場合はそ の理由をアニュアルレポートの中で述べることを企業に対して求めている。 企業は倫理規定を公開することが求められ、アニュアルレポートの参考資 料としての掲載、自社ウェブサイトへの掲載などを行った場合に公開した とみなされる。407条では監査委員会のメンバーのなかに財務の専門家が 最低一人いるかどうかを、またいない場合はその理由を述べることを求め ている。これらの規則は官報掲載後30日が経過した時点で発効する。

更に1月22日、米証券取引委員会はサーベンス・オクスレー法201条、401 条(a)、および802条に関する規則を発表した。201条は企業の会計監査を 行う会計監査会社が同一企業に対して他のサービスを提供することを禁じ る内容。401条(a)はディスクロージャーに関する規則、802条は記録の保 持に関する規則。201条に関してSECは当初会計監査会社が監査対象企業に 対して税務関連サービスを含め9種類のサービスの提供を禁止する意向だ ったが、今回の最終案では、当該企業の監査委員会の同意を条件に、タッ クス・コンプライアンス、タックス・プラニング、税務相談等のサービス を提供することを認めている。また401条(a)はオフ・バランス取引に関す るディスクロージャーを強化することを目的としたもので、今回の規則で は、アニュアルレポートの「経営陣による検討と分析」のなかに小見出し をつけ、オフ・バランス取引について情報開示を行うことを企業に対して 求めている。
(詳細情報)
http://www.sec.gov/news/press/2003-6.htm
http://www.sec.gov/news/press/2003-9.htm
http://www.sec.gov/news/press/2003-10.htm
http://www.sec.gov/news/press/2003-11.htm<



◆ 米SEC、ミューチュアル・ファンドに対し株主総会での議決権行使に関する情報公開を
求める規則を導入

米証券取引委員会はミューチュアル・ファンドに対して、株主総会での議 決権行使に関する方針と行使プロセス、および実際の行使内容について情 報開示を求める規則を導入した。ミューチュアル・ファンドを運営する米 国の投資会社は開示の負担が大き過ぎる等の理由でこの規則に反対してい たが、SECはその反対を押し切って規則の制定を行った。投資会社は企業 に対して情報開示の強化を求める立場だが、今度は自らの情報開示姿勢が 問われる立場に立たされて格好。本オンライン・ジャーナル13号で紹介し たようにカルパースも自らの情報開示姿勢が問われており、米国では情報 開示義務に関して聖域はないといった様相を呈している。
(詳細情報)
http://www.sec.gov/news/press/2003-12.htm



◆ マイクロソフト、株式分割と配当支払いの開始を発表

マイクロソフトは、1対2の株式分割と配当支払いの開始を発表した。マイ クロソフトは、これまでダウ30銘柄のなかで株主に配当を行わない唯一の 企業として知られていた。配当は株式分割前の1株当り16セントで、配当 金の支払総額は年間856百万ドル。配当利回りはたったの0.289%。配当支 払いの最も大きな恩恵を受けるのはもちろんビル・ゲーツ氏で、2002年11 月時点の持ち株数から計算すると年間約98百万ドルの配当を受取る計算に なる。
(詳細情報)
http://www.microsoft.com/presspass/press/2003/Jan03/01-16ds.asp



◆ マクドナルド、肥満訴訟への不満晴らす

ハンバーガーの食べ過ぎで肥満になったのは企業側の説明不足が原因だと して14歳の少女らがマクドマルドの親会社を訴える集団代表訴訟を起こし ていたが、ニューヨーク連邦地裁は1月22日、「ナンセンスな訴え」とし て訴えを棄却した。たばこ訴訟で企業側が敗訴したことを思い起こさせる この訴訟はマクドナルド株を保有する投資家にとっても気がかりなところ だった。原告側は、食事の大半をマクドナルドのハンバーガーとフレンチ フライですませていた少女は、ハンバーガーとフレンチフライを常食にす ることの危険を認識していなかったために肥満になってしまったとし、明 確な形で警告を店内に掲載しなかったマクドナルドに責任があると主張し、 糖尿病、心臓疾患、高血圧、コレステロール値の上昇などの損害に対して 数十億ドルの損害賠償を求めていた。同様の訴訟はバーガーキング、ウェ ンディーズ、ケンタッキー・フライドチキンに対しても起こされている。 この訴訟を担当したニューヨーク連邦地裁の裁判官の名前がRobert Sweet というのはでき過ぎか。
(詳細情報)
http://www.iht.com/articles/84290.html



◆ 米企業の財務報告修正件数22%増の330件に

エンロンの問題をきっかけに、財務報告の正確性に関する市場の目が厳し くなるなかで、一度正式に報告された財務諸表を後から修正する件数が20 02年に前年比33%と大幅に増加した。330件のうち40件はアーサー・アン ダーセンが前年度に監査を行った企業のものであった。修正の理由で最も 多いものは収益の計上方法が不適切であったというもの。
(詳細情報)
http://www.huronconsultinggroup.com//files/tbl_s6News/PDF134/112/
HuronRestatementStudy2002.pdf



◆ 英国貿易産業省、取締役の役割に関するレポートを発表

執行役員でない役員によって構成される取締役会の役割の強化、監査委員 会の地位の強化などに焦点を当てたレポート(Higgs report)を英国貿易産 業省が発表した。提案の主なポイントは以下のとおり:
取締役会の最低半数は独立性をもった社外取締役によって構成
取締役の任命は指名委員会が行う
監査委員会と報酬委員会のメンバーはすべて業務の執行にかかわっていない者によって構成
CEO職と会長職は分離
社外取締役は最低年に1度執行役員や他の内部者を除いて取締役会を開く
社外取締役の任期は3年とし、改選は2回までとする
(詳細情報)
Financial Times, January 20, 2003


◆ 米国財務会計基準審議会(FASB)、特別目的会社に関する新規則を発表

FASBは特別目的会社の乱用を制限するための新しい規則を発表した。バラ ンスシートに含まれない特別目的会社との関連でリスクまたは利益の発生 が見込まれる場合、当該特別目的会社を連結決算に含めなければならない というもの。
(詳細情報)
http://www.fasb.org/news/nr011703.shtml




Cable & Wireless / Marks & Spencer

欧州企業、特にグローバル企業のホームページについて言えるのですが、 企業の社会的責任、コーポレート・ガバナンス、意思決定プロセスの透明 性などについて、きちんとした開示(アピール)が見られます。会社として このあたりは押さえておかないと、投資対象にもあがってこない訳です。

例えばCable & Wirelessのホームページには、Corporate Responsibility (1)という独立項目が設けられています。このなかでCommunity、Envir onment、Ethics、Health and Safetyそれぞれに企業ポリシーを設けてい ます。これだけならさほど珍しくはありませんが、このほか、株主総会の 議決権投票結果まで公表されています(2)(Annual General Meeting のProxy Voteのところです)。個々の議案について、例えばCEOのWallace氏の再 任については賛成票が79.12%と、その他の経営陣(90%超)に比べて低 い結果であったことなど、内訳が分かるのです。英国のリテール大手、 Marks & Spencerも議決権の投票結果を公表しています(3)。役員報酬の 承認が88.9%の賛成とやや低い結果であり、その他の議案については、概 ね100%近くの高率で承認されたようです。

議決権の投票結果を公表することと株主利益とがどう結びつくのか、企業 側、株主側からもいろいろな議論はあろうと思いますが、結果を明らかに することに文句をおっしゃる人は、出てこないのではないでしょうか。
参考URL:
(1) http://www.cw.com/template_11.jsp?ID=au_corpresp
(2) http://www.cw.com/template_03.jsp?ID=ir_08_08
(3) http://www2.marksandspencer.com/thecompany/investorrelations/
shareholderinformation/proxy_results.shtml




ISS (Institutional Shareholder Services)

ISS(1)は、議決権行使・委任状に関する助言を行う米国の独立系コン サルティング会社。機関投資家の株主議決権行使プロセスに大きな影響を あたえるので、ここで紹介することとしたい。ISSは、株主総会にはから れる議案を分析し、追加データや参考資料を添えて、議案に賛成(for)す べき、反対(against)すべきといった助言を行う。機関投資家の投資銘柄 は数百から数千にのぼるため、これら膨大な投資先企業の株主総会議案を ひとつひとつ分析し、議決権行使に関する判断を行い、行使するのは膨大 な手間がかかり、難しい。よってISSのようなアドバイスを行う機関が重 要になるわけだ。ISSの顧客は主に欧米の950を超える機関投資家であり、 ISSは10,000を超える米国企業、2,000を超える日本企業の議案の分析を行 うほか、昨年からは企業のコーポレート・ガバナンスのレーティングも行 っている。

ISSの存在は日本でも年毎にクローズアップされるが、とくに注目された のは、ヒューレットパッカード(HP)によるコンパック買収をめぐるProxy Warであろう。

HPの株式の18%を保有する創業者一族とその財団は、当初からコンパック の買収に反対し、2002年3月19日の臨時株主総会では買収案に反対票を投 じるよう、株主に呼びかけていた。一方で議決権株式の約6割を機関投資 家が保有し、多くが臨時株主総会の直前まで賛成・反対のいずれに票を投 じるか決めかねていたため、その動向が注目されていた。機関投資家の内 訳を整理すると、

機関投資家の内訳は、グロース、バリュー投資家とも約38%と拮抗、残りが主にインデックス投資家とみられた。
グロース投資家の多くは、買収により収益が拡大されるとの判断から、買収案に賛成するとみられた。
バリュー投資家の多くは、むしろパソコンの価格競争に一層さらされるとの懸念から、反対するとみられた。
インデックス投資家の多くは、これまで通りISSのアドバイスを重用すると思われていた

HPによれば総株式数のうち23%がISSの顧客と見込まれていたことから、ISS が賛成・反対どちらのアドバイスを行うか、HPならずとも非常に注目し ていたわけである。こうしたなか、3月5日、ISSは、コンパックの買収は 株主価値を最大限に高める非常に良い方法であると信じている、との見解 を発表した。これがHPにとって強力な後押しとなったことは間違いなく、 HPのニュースリリース(2)では、ISSの見解とともに、CEOカーリー・フ ィオリーナの「ISSによる助言は、合併への動きにとって重要な追い風とな るでしょう」とのコメントを発表。最終的に買収案が可決されたことはご 存知の通りである。

先週、米SECがミューチュアル・ファンドに対して、投資先企業の株主総 会議決権行使に関する方針と、行使プロセス、および実際の行使内容につ いて情報開示を求める規則を導入した。今後、投資会社の情報開示姿勢が 問われることになり、ISSのような機関投資家へのアドバイス機関の役割 は、ますますクローズアップされるであろう。
参考URL:
(1) http://www.issproxy.com
(2) http://www.hp.com/hpinfo/newsroom/press/2002/020305d.html




今回はちょっと趣向を変え、最近よく見かける「プロ・フォーマ (pro forma)」ということばを取り上げることにしましょう。pro formaは、pro forma financial information, pro forma financial statements, pro forma earningsなどのように使われます。新聞などで はpro forma earningsを「実質利益」と訳しているケースをよく見かけ ますが、pro formaを「実質」という意味と理解するのは誤りです。

以下がpro formaの定義の一例です:
Definition: Pro Forma Financial Information, or Pro Forma Financial Statements, are essentially "what if" financial statements, containing one or more assumptions or hypothetical situations built into the data. If conditions would have been different in some way, then a company's financial information would have looked different than it was actually presented.

このように、pro formaは一定の仮定や想定のもとに作成された情報を 意味します。例えば合併や買収を行ったことを想定した場合にバランス シートがどうなるかを示したとすると、そのバランスシートはpro forma balance sheetと呼ばれます。また、リストラ関連の退職金支払いなど 一時的に発生する費用を除いた場合の利益(つまりpro forma earnings) を計算して投資家に示すやり方を米国企業の多くがこれまで採用してき ました(1月15日にSECが発表した規則によって、プロフォーマの乱用は 厳しくチェックされるようになります)。Pro formaは、「実質」と訳す より「想定」と訳したほうがよいのかもしれません。例えば、Pro forma earningsは「実質利益」ではなく「想定利益」と訳したほうが、その意 味合いが明確に示されるのではないでしょうか。




APB(Accounting Principles Board)

米国の会計原則審議会。
米国公認会計士協会(AICPA)に以前あった組織で現在のFASB(財務会計審議 会)の前身。1959年9月1日から1973年の約14年間、会計基準をAPB opinion として1号から31号まで公表した。
この意見書の中には、税効果会計,資金運用表,年金会計などが公表され ている。
中でも1966年11月に公表したAPB opinion 8(年金制度の原価の計算)は、 数理法を用いて年金原価計算を従来の現金主義から発生主義による算出方 法に変えたことは大きな貢献であった。
しかしながら年金原価の計算方法、過去勤務原価の償却方法などにも幅広 い選択があること、過去勤務債務が財務諸表に上計上されないことなど、 に対するさまざまな批判意見が寄せられ、後に移管されたFASBによりFAS87 号(事業主の年金計算)に年金制度に関する新会計基準を発表している。



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